空手教室は礼儀作法教室ではない

現代社会において武道を修得する意味とは何でしょうか。健康の為に、ストレス発散の為に、自信をつける為に、親御さんは子供の礼儀作法の為に。確かに武道にはこれらの効果はありますが、わざわざ痛い思いをする必要もありません。実際に野球少年やサッカー少年が「おはようございます!」と挨拶する姿はとても爽やかです。

武道とは「より良く生きる為の道しるべ」だと私は考えます。他人を殴ったり蹴ったり、または逆に痛めつけられたりする武道であるからこそ、「人を傷つけない事」「人を活かす事」の大切さに気付きます。自分自身を見つめ、困難から逃げず、正しい道を探し、成功する方法を考える、これこそが武道の姿だと思います。
武道を通じて育成された価値観や人生観は、これからの時代に大いに役立つでしょう。全員横並びでレールに乗って進学し就職していく人々の中、「あの人はちょっと違うな」と一目置かれる存在。そのような人物に成長して欲しいと願っています。
大東流空手道 三訓

- 人として強くある事 -
頭が良くても、才能があっても、人生には困難な事や理不尽な事が降りかかります。逃げ出したり卑屈になったり、自分自身を見失わない為にも強くなければなりません。
- 人として賢くある事 -
人間の気力や体力には限界があります。立場や時間の制約もあります。その中で善し悪しを判断し、合理的に物事を考える事が必要です。
- 人として優しくある事 -
強くとも賢くとも、周りの事を考えない者はただの「嫌なヤツ」です。会社でも家庭でも周囲の人間は逃げていきます。人を活かす事ができる優しさが大切なのです。