護身術として

 よく護身術という言葉を耳にします。一般的には身を護る術(すべ)を護身術と呼びます。危ない場面に出くわさないよう気をつけていても、やはり災難は向こうからやってきます。女性が男性に襲われたり、男性でも複数の暴漢に襲われたり、この様な不利な状況から脱出する術が護身術です。

 では、非力な女性が男性を圧倒するほどの打撃力を身につけるには、どれだけの練習が必要なのでしょうか。掴みかかる暴漢をふわりふわりと投げ飛ばすには、いったい何年かかるのでしょうか。そもそも、不利なはずの状況で相手を叩き伏せる事が出来るのでしょうか。

 答えは「気が遠くなるほどの練習が必要」だという事、「たたき伏せるなど不可能」だという事です。また、護身術セミナーで紹介されているような方法で、非力な女性が逃げる事も難しいでしょう。

 護身術に必要なのは、シンプルな技、力に頼らない技、逃げる為の技です。大東流空手道では一番最初に「手解き(てほどき)」の習得から始めます。

 動画は手解きと呼ばれる技術です。本来は力の強い男性に掴まれれば、女性が逃げる事は困難です。胸倉など衣服を掴まれれば、脱出はほぼ無理でしょう。華奢な女性でも使用できる当身技(あてみわざ)でチャンスを作り脱出する必要があります。

 ただし、生兵法は怪我の元と言います。護身術は専門の指導者から正しく指導を受けなければなりません。ご依頼があればセミナー形式での指導もいたします。